高校必須科目の履修漏れ問題2006/11/01

世界史などの必須科目を3年になっても履修していない為、でこのままでは卒業出来ない生徒が公立高校だけでも4万7千人、さらに私立校が加わると8万人以上の非常に多くの生徒が卒業できなくなるという大変深刻な事態となっいる。
また、責任感の厚い茨城県立の校長が自殺したという痛ましい事件も発生した。この学校では世界史Aと理科基礎を日本史B・生物・物理を振り替えて教えていたそうである。自殺した校長はこの学校に今年に校長として着任し生徒にも慕われていた事が報道されている。公開された遺書にもひしひしと感じられる。責任の重さからいえば、前任校長の方であるのに残念である。
極く最近の報道として、私立の神戸市にある超有名高校では3年全員が履修漏れだそうである。地理歴史の科目を1科目しか教えなかったり、家庭科の授業(家庭基礎・家庭総合・生活技術のいずれか1科目必修)では家庭科の教育免許のない先生が物理や化学を教えていたケースが含まれている。

 こういった、必須科目を他の教科に振り替えて授業を行い、大学進学率を高める手法は今に始まったことではない。
世界史が必須科目として教育指導要領が改定されてから一層事態は深刻化したが、かような振り替え操作は十数年前から行われていたことは周知の事実である。
父兄も我が子を志望大学に入れたい一身で、このような高校を歓迎すらしていたのではあるまいか。

このブログをご覧になった方の中でも教科書は買わされたのに全然教えて貰ったことがなかったり、記載された通信簿内容に不審を抱いたりしなかっただろうか?

今回の未履修漏れ問題も大学で要求するレベルに近づけるための一方策といえなくも無い。
受験科目を決める大学側にも責任の一端があることは否めない。
大学入試に関わる先生もじっくり高校の教育指針を示す教育指導要領を把握し入試科目の再検討をする時期に来ているのではないだろうか。