ネジバナ2008/07/02

ネジバナ
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ネジバナ 2008年6月30日撮影
 
  • ラン科  Orchidaceae 
  • ネジバナ属  Spiranthes
  • ネジバナ  Spiranthes sinensis [捩花  別名: モジズリ] 

アカバナユウゲショウは咲き終わったが、これを待っていたように、ネジバナが可憐な花を咲かせている
小さい花がスパイラル状に横向きについているが、その巻き型に右巻と左巻がある
撮影した画像をよく見ると、右側にあるネジバナと左側にあるそれとは巻き方が違うように見える

この花は日本全国の芝地や畦などで身近に見られる野生のランであり園芸ラン植物のような豪華さはないが、私の好きな花の一つである
この花は万葉集あるいは古今和歌集にも登場しているそうであるが諸説があり決定的とは言えない

万葉集 巻十四 3508 ==>「芝付しばつきの  御宇良崎みうらさきなる ねつ こ草 相見ずあらば あれ恋ひめやも」 よみびとしらず

古今和歌集 巻十四  ==>「陸奥みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに」 河原左大臣(源 融)

万葉集に登場するねつこ草は一説によるとオキナグサを指している
一方、古今和歌集のしのぶもじずりは、片桐著の解説では信夫郡(今の福島市内)から産出する染物で乱れ模様のプリント地を指すとある。この草が染色に到底適して はいないように思うので、この歌で即ネジバナとする説には無理がある
また 牧野富太郎著の捩摺モジズリの由来として、シノブモジズリの語に基づいて、この花がモジれて巻く様を説明した名であるとあり 万葉集の草と断定できない

ネジバナは謎を秘めた野草のようです!
花言葉はネジバナは「思慕」で、これがオキナグサ(キンポウゲ科に属していて、毒草だそうな)になると「背信の愛」ということになります

なお、この項を書くにあたり、下記の著作を参考にしました

「古今和歌集」 片桐洋一著  笠間文庫 原文&現代訳シリーズ
 「新訂 牧野新日本植物図鑑」 牧野富太郎著  北隆館

コメント

_ りんご亭 ― 2008/07/05 17:28

こんにちは
ブログ開設早々にコメントを頂きありがとうございました。

しのぶもぢずりの歌は知っていましたが、諸説あるんですね。
いろいろ調べてブログを書いているのはすばらしいことだと思います。

昨日コメントを入れたつもりだったのですが、出来てないみたいなのでもう一度。
ダブったらごめんなさい。

_ チロル ― 2008/08/14 15:17

右巻きと左巻きが混在している草は珍しいですね。知らなくて、あらためて以前庭で撮った写真を調べたら、本当に両方並んでいました。発見!の喜び。
写真を添付できないのが残念です。

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